臨時農業生産情報(高温に対する技術対策) 臨時農業生産情報 (大雨と雷及びひょうに対する技術対策)

令和6年稲作生産情報 第6号(7月22日発行)

・生育は平年より早まっており、まもなく「出穂期」を迎えます!

・気温や稲の生育に応じた水管理をしっかり行おう!

・いもち病や斑点米カメムシ類の防除を徹底しよう!

生育状況

「まっしぐら」の7月16日現在の生育は、平年と比較して、草丈はかなり長く、㎡当たり茎数は少なくなっているものの、必要茎数を確保している。

幼穂形成期は、7月5日で平年より5日早く、特に県南地域は1週間以上早くなっている。

品種名 地域 地点数 草丈(cm) ㎡当たり茎数(本) 幼穂形成期(月/日)
本年 平年 平年比 本年 平年 平年比 本年 平年 平年差
まっしぐら 津軽 7 75.9 69.1 110 479 478 100 7/6 7/8 2日早
県南 5 75.7 65.7 115 392 460 85 7/4 7/12 8日早
全県 12 75.8 67.6 112 442 470 94 7/5 7/10 5日早
ほっかりん 下北 1 64.1 57.0 113 524 463 113 7/8 7/13 5日早

7月17日以降の気温が平年並に推移した場合、出穂期は「まっしぐら」が7月26日頃からと予想される。

水管理

1 出穂前

主茎の葉耳間長4cmから出穂期までの期間は、水の入れ換えを行いながら4cm程度の浅水管理を基本とし、収穫時にぬかるみやすいほ場では1週間程度落水し地固めをする。

低温(日平均気温20℃以下、または最低気温17℃以下)が予想される場合は、障害不稔発生防止のため、15~20㎝程度の深水管理を徹底し、落水は行わない。

2 出穂・開花期

出穂・開花期は、稲が最も水を必要とする時期になるので、出穂後10日間は5~6㎝程度の水深とし、低温(日平均気温20℃以下)となる場合は、障害不稔の原因となるので、10cm程度の深水にして保温する。

開花終了後に高温となる場合は、各地域の用水の状況に応じて、水の入れ換えや掛け流し、飽水管理によって稲体の温度を下げ、根の活性を維持する。

※「飽水管理」・・・水尻を止水して自然減水し、溝や足跡に水がたまっている箇所が散見される状態になったらかん水することを繰り返す管理。

3 登熟期

高温の場合は、2~3㎝程度の浅水とし、なるべく遅くまで水を与えるようにする。

湿田や秋落田では、根の老化を防止するため、掛け流しや土壌に軽く亀裂が入る程度の間断かんがいを行う。

低温(最低気温15℃以下)が予想される場合は、10cm程度の深水にする。

4 落水時期

落水が早すぎると屑米が増加するとともに、胴割米の発生を助長し、品質が低下することから、湿田では出穂後20~25日、乾田では出穂後30~35日を目安とし、早期落水を避ける。

病害虫防除

1 いもち病

曇雨天が続くと発生が多くなるので、葉いもちの早期発見・早期防除に努め、穂いもちの予防防除を行う。

2 斑点米カメムシ類

アカヒゲホソミドリカスミカメ、アカスジカスミカメともに、気温が高いと発生量が多くなるため、適期防除を徹底する。

出穂間近の草刈りは、斑点米カメムシ類を水田に追い立てることになるので出穂7日前には終了する。

本年は斑点米カメムシ類の発生が多く、7月12日に県病害虫防除所が「注意報」を発表したことから、特に防除を徹底する。(詳細はこちら

3 薬剤散布上の注意

特別栽培米やクリーンライスなどは、それぞれ定めた農薬の使用計画を確認し、その範囲内で使用する。

散布の際は、近隣の大豆、野菜、ホールクロップサイレージ(WCS)用イネなどの農作物に飛散しないよう十分注意する。

農薬を使用した水田では、防除効果の安定と水質汚染防止のため、散布後7日間は落水や掛流しは行わない。

4 農薬による蜜蜂への危害防止

薬剤散布前に周辺の養蜂業者に防除計画を知らせるなど、積極的に情報交換を行う。

蜜蜂を放飼している地域周辺(蜜蜂の行動範囲は巣箱から2km程度とされている)では、農薬ラベルに蜜蜂に対しての毒性を示す「ハチ巣箱への散布禁止マーク」のついた農薬の使用を避ける。

収穫の準備

本年は、県南地域を中心に稲の生育が進んでおり、今後も高温の予報となっていることから、収穫時期も早まる可能性が高い。

そのため、現段階から早めの収穫を想定し、コンバインや乾燥調整施設等の掃除・点検・整備、試運転は早めに実施する。

 

詳細は稲作生産情報大6号(全体版要約版)をご覧ください。

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