臨時農業生産情報 (大雨と雷及びひょうに対する技術対策)

臨時農業生産情報 (大雨と雷及びひょうに対する技術対策)

青森地方気象台発表(2024年7月8日5時43分)「大雨と雷及びひょうに関
する青森県気象情報 第1号」によると、青森県では、9日朝から夕方にかけて、低
気圧や前線の影響により、大気の状態が非常に不安定となるため、雷を伴って激しい
雨が降り、大雨となる所がある見込みです。また、落雷や突風、ひょうに注意してく
ださい。
今後の気象情報に十分注意し、次の点に留意して、被害の未然防止と軽減に努めて
ください。
なお、ほ場の見回り等については、危険な場所には近づかず、安全を十分確保して
慎重に行ってください。

1 共通の対策
(1)地盤が緩み崩壊の恐れがある農地・林地及び農道・林道並びに増水中の河川など
には、絶対に近寄らないようにし、異常を発見した場合は、速やかに市町村等へ連
絡する。
(2)浸水や冠水したほ場・園地では、明きょやポンプにより速やかに排水する。

2水稲
(1)幼穂形成期に達した水田では、10cm程度の水位を維持しながら排水できるよ
うほ場の排水口で調節するとともに、排水路の点検・整備を徹底する。
(2)土砂が流入した場合は、速やかに取り除く。
(3)畦畔や用排水路が破損した場合は、速やかに補修する。

3 りんご・特産果樹
【りんご】
(1)仕上げ摘果を終えた園地では、降ひょうがあり、健全果が少ない場合は、樹勢
調節のため被害果であっても残し、できるだけ着果基準を守る。
(2)仕上げ摘果を終えておらず、健全果が十分にある場合は、傷の有無を確認し、
2mm以上の大きい傷のあるものは摘果を行う。
(3)被害園ではその後の管理を怠ると、来年の生産に影響するので、薬剤散布など
の栽培管理は通常どおり行う。
【ぶどう】
(1)折れた新梢は切除し、副梢の発生を促し葉数の確保に努める。
(2)被害新梢から伸長した副梢は、基部から4~5枚目で摘心し、結実確保と枝の
充実に努める。
(3)樹勢調節のため、被害を受けた果房でもできるだけ残し、病害虫防除を徹底す
る。結実が見込めない場合は摘除する。
(4)果房摘除等により樹勢が強くなる場合は、施肥を控えるとともに摘心により枝
の充実を図る。
【その他特産果樹】
降ひょうがあった場合は、着果負担や病害虫の発生を抑えるため、被害を受けた果
実はできるだけ摘果する。ただし、摘果しすぎないように注意する。

4 野菜・花き・畑作
(1)施設周辺やほ場に排水溝を設け、排水対策に努める。
(2)ほ場やビニールハウスを点検し、被覆資材やパイプ等の損傷がある場合は、速
やかに修復する。
(3)果菜類で浸水した場合は、草勢の低下を防ぐため、摘果や早採りで着果負担を
軽減する。また、冠水した場合には、動力噴霧機で散水し、作物等の泥を洗い流
す。さらに、マルチを除去して、株元を乾かし、根の回復を図るとともに、冠水
した果実を早急に取り除く。
(4)露地で種子が流出したほ場は、再度は種を行う。
(5)ながいも等のほ場で、「穴落ち」した場合は、速やかに修復する。
(6)降ひょう・浸水・冠水などにより損傷を受けた場合は、病気が発生しやすく
なるので、蔓延しないよう、薬剤散布する。
(7)倒伏や穂発芽した小麦は、仕分刈りを行い、未熟粒や被害粒が混入しないよう
にする。

5畜産
(1)畜舎が浸水した場合は、家畜伝染病の発生を予防するため、消毒を徹底する。
(2)ロールベールサイレージのストレッチフィルムが破損した場合は、破損部分を
速やかに補修するとともに、できるだけ早く家畜に給与する。
(3)降雨後、飼料畑に停滞している水は、速やかに排水する。
(4)浸水等の被害を受けた飼料は、品質を見極め、十分注意して給与する。
(5)倒伏した飼料用とうもろこしで、今後の回復が見込めない場合は速やかに収穫
・調製する。

6 農地・農林業用施設
(1)農地・林地・農林業用施設が被災した場合は、速やかに被災状況を市町村へ報
告する。
(2)被災した農地・林地及び農林業用施設は、身の安全を確保した上で、シートで
被災箇所を覆うなど、被害が拡大しないよう努める。

240708 臨時農業生産情報(大雨と雷及びひょうに対する技術対策)

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